

フィールドエンジニアの仕事内容は? 魅力や必要なスキル、給料ややりがい、サービスエンジニアとの違いも解説
2025/10/15
製造業やIT業界において、機器やシステムの安定稼働は事業の生命線です。その最前線で活躍するのがフィールドエンジニアです。オフィスでの開発業務とは異なり、実際の現場で顧客と向き合いながら技術的な課題を解決していく、この職種には独特の魅力があります。本記事では、フィールドエンジニアの業務内容から必要スキル、収入面まで詳しく解説します。
フィールドエンジニアとは?顧客の現場で活躍する技術サポートのプロフェッショナル
フィールドエンジニアは、製品やシステムを導入した顧客のもとへ直接訪問し、設置から保守、トラブル対応までを担う技術職です。オフィス内での開発や設計とは異なり、実際の稼働現場で技術的な問題を解決することが主な役割です。単に技術的な知識を持つだけでなく、顧客との対話を通じて最適な解決策を提供する点が特徴です。
社内エンジニアとは異なる「現場第一線」の技術者
システムエンジニアやプログラマーが社内での開発作業に従事するのに対し、フィールドエンジニアは顧客の現場が活動の舞台です。
製造工場のラインが停止した際、遠隔操作では解決できない物理的な問題には現地で対応します。実機を前に原因を特定し、その場で修理や調整を行うのがフィールドエンジニアの役割です。
社内エンジニアが設計図面やコードと向き合うのに比べ、フィールドエンジニアは人と機械の両方と向き合いながら問題解決に取り組みます。現場では想定外の状況も多く、マニュアル通りでは対処できない案件に対して最善策を判断する能力が必要です。
技術者でありながら顧客企業の担当者と直接やり取りをするため、専門用語を分かりやすく説明し、作業進捗を適切に報告するコミュニケーション能力も欠かせません。
IT化が進む現代社会で需要が高まる職種
DXの推進により、あらゆる産業でIT機器や制御システムの導入が加速しています。
製造業では産業用ロボットやIoTセンサー、小売業では決済システムや在庫管理システム、医療分野では診断装置や電子カルテシステムが普及しています。これらは導入後も継続的な保守と適切な運用管理が不可欠です。
最新技術を導入した企業では、トラブル発生時に自社だけでは対応困難なケースが増えています。AIやIoT、5Gといった先端技術を活用したシステムは複雑性が高く、専門知識を持った技術者による迅速な対応が求められます。
システムの停止は企業活動に直接影響するため、24時間365日の対応体制を求める企業も少なくありません。現場で即座に問題を解決できるフィールドエンジニアの価値は年々高まっており、今後も安定した需要が見込まれます。
顧客先での製品導入から保守まで担うフィールドエンジニアの仕事内容
フィールドエンジニアの業務は多岐にわたり、製品のライフサイクル全体をサポートします。新規導入時の立ち上げから日常的な保守、緊急時の対応まで、幅広い場面で技術力を発揮します。単に故障を修理するだけでなく、顧客のビジネスを支える重要な役割を担っています。
新規システムの設置・セットアップから運用開始までをサポート
新しい機器やシステムを導入する際、フィールドエンジニアは計画段階から関与します。
顧客の現場環境を調査し、既存設備との互換性や設置スペース、電源容量などを確認。最適な機器配置や配線経路を提案し、実際の設置作業を行います。
物理的な設置後は、ソフトウェアのインストール、初期設定、ネットワーク接続の確立を実施。製造業の生産管理システムなら、既存機器との連携設定やデータ移行作業も必要です。
顧客担当者への操作説明も重要です。基本操作からトラブル時の初期対応まで、顧客のレベルに合わせて丁寧に説明し、スムーズな運用開始を支援します。
定期メンテナンスと予防保守で安定稼働を実現
機器やシステムの長期安定稼働には定期的なメンテナンスが欠かせません。
フィールドエンジニアは決められたスケジュールで顧客先を訪問し、機器の点検・清掃・消耗品交換を実施。産業機械では可動部の潤滑状態や摩耗具合をチェックし、必要に応じて部品交換を行います。
ITシステムではログファイル確認、ディスク容量チェック、セキュリティパッチ適用が主な作業です。バックアップデータの整合性確認や災害時復旧手順のテストも重要な業務です。
予防保守により大きなトラブルを未然に防げます。わずかな異常の兆候を見逃さず早期対処することで、顧客業務への影響を最小限に抑えます。定期メンテナンス時には機器の使用状況をヒアリングし、より効率的な運用方法を提案することも大切な役割です。
トラブル発生時の緊急対応と迅速な復旧作業
システムや機器に障害が発生した場合、フィールドエンジニアは迅速に現場へ向かい復旧作業にあたります。
製造業の生産ライン停止は1時間で数百万円の損失につながることもあります。連絡を受けたら必要な部品や工具を準備し、最短時間で現場に到着することが求められます。
現場では障害状況を正確に把握。エラーメッセージ確認、動作観察、関係者からの聞き取りを通じて原因を特定。部品交換、ソフトウェア再インストール、設定修正など適切な対処を行います。
復旧作業中も進捗や復旧見込み時間を顧客に随時報告。技術的な説明を分かりやすく伝え、安心感を与えることも重要な仕事です。
技術サポートだけでなく営業支援の側面も
フィールドエンジニアは純粋な技術職にとどまらず、営業活動を支援する役割も担います。
定期メンテナンスや修理対応で顧客と接する機会が多いため、現場のニーズや課題を直接把握できます。この情報は新製品提案や既存システムのアップグレード提案に活かせる貴重な資産です。
営業担当者が新製品を提案する際には、技術的観点から説明を補足し、顧客の疑問や不安を解消。実際に現場で作業するフィールドエンジニアの説明は説得力があり、顧客の信頼を得やすい利点があります。
競合他社の製品情報や市場動向を現場で収集することも可能。こうした情報は自社の製品開発や営業戦略立案に役立ち、企業全体の競争力向上に貢献します。
顧客から直接感謝される!フィールドエンジニアの魅力とやりがい
技術職の中でも、フィールドエンジニアは顧客との距離が近く、仕事の成果を直接実感できる職種です。困難な状況を乗り越えた時の達成感や顧客からの感謝の言葉は、この仕事ならではの魅力です。技術力を磨きながら人の役に立っている実感を得られる点が、多くのエンジニアを惹きつけています。
問題解決で得られる「ありがとう」の言葉が最大の報酬
フィールドエンジニアの最大のやりがいは、トラブル解決時に顧客から直接感謝されることです。
深夜の緊急出動で工場の生産ラインを復旧させた時、顧客の安堵の表情と「本当に助かりました」という言葉は、どんな報酬にも代えがたい喜びです。自分の技術が誰かの困難を解決し、ビジネス継続に貢献していることを肌で感じられます。
長年使い続けた古い機器の延命措置に成功し、買い替えコストを削減できた時には経営者から直接お礼を言われることも。定期メンテナンスで訪問するたびに「いつもありがとう」と声をかけてくれる現場の方々との関係性も、この仕事の醍醐味です。
技術的な問題解決と人との繋がりを感じられる瞬間が、フィールドエンジニアとして働く大きなモチベーションになります。
企業の顔として顧客との信頼関係を構築する重要な役割
フィールドエンジニアは所属企業を代表して顧客と接する立場にあり、その対応次第で企業全体の評価が左右されます。
技術力はもちろん、身だしなみや言葉遣い、時間管理などビジネスマナーも重要。約束時間の厳守、作業後の片付け、分かりやすい報告書作成といった基本を確実に実行し、顧客からの信頼を獲得します。
長期的な関係性を築くと、新プロジェクトの相談や他部署への紹介を受けることも。「あなただから任せられる」と指名で依頼されることは、エンジニアとしての大きな誇りです。
導入したシステムが業務効率化に寄与し、顧客のビジネスが拡大していく様子を間近で見られることは、フィールドエンジニアならではの特権です。
幅広いスキルが身につき自己成長を実感できる
フィールドエンジニアの業務は多様性に富み、様々な分野の知識とスキルを習得する機会に恵まれています。
ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、セキュリティなどIT全般の技術力が求められ、電気回路や機械工学、制御技術の知識も必要になります。
現場では教科書通りにいかない状況も多く、創造的な問題解決能力が養われます。限られた時間と資源で最適解を見つける経験は、エンジニアとしての成長に大きく寄与します。
プレゼンテーション能力、交渉力、プロジェクト管理能力など、技術以外のビジネススキルも自然と身につきます。AIやIoT、ロボティクスといった最先端分野の知識を実践的に学べることも魅力。常に学び続ける環境で、技術者としてのキャリアを着実に積み重ねられます。
社会インフラを支える誇りと使命感
現代社会において、ITシステムや産業機器の安定稼働は社会インフラの一部です。
病院の医療機器が正常動作することで患者の命が守られ、交通管制システムが機能することで安全な移動が確保され、製造設備が稼働することで日常生活に必要な製品が供給されます。フィールドエンジニアはこれらの重要なシステムを陰で支えています。
災害時には被災設備の復旧に全力であたり、社会機能の早期回復に貢献。セキュリティ面でも重要な役割を果たし、サイバー攻撃から企業システムを守ることで情報漏洩や業務停止リスクを防ぎます。
自分の仕事が社会全体の安定と発展に寄与していることを実感できるのは、フィールドエンジニアという職業の大きな魅力。この使命感と誇りが、日々の業務へのモチベーションとなり、困難な課題にも前向きに取り組む原動力となります。
サービスエンジニアとフィールドエンジニアの違いと共通点
求人情報では、フィールドエンジニアとサービスエンジニアという2つの職種名を目にします。これらは似た業務を指すことが多いものの、企業によって使い分けがされている場合があります。転職や就職を検討する際には、名称だけでなく具体的な業務内容を確認することが重要です。
基本的には同じ業務内容で企業により呼称が異なる
多くの企業において、フィールドエンジニアとサービスエンジニアは実質的に同じ業務を指しています。
どちらも顧客先へ出向いて機器の設置・保守・修理を行う技術職であり、求められる技術力や資質に大きな違いはありません。企業の歴史や業界慣習、海外企業との関係などにより呼称が異なるケースがほとんどです。
外資系企業では「Field Service Engineer」という英語表記をそのまま使用することが多く、日系企業では「サービスエンジニア」を好む傾向があります。製造業では「サービスエンジニア」、IT業界では「フィールドエンジニア」という使い分けもあります。
重要なのは職種名ではなく実際の業務内容。求人応募時は職務記述書をよく読み、自分のスキルや希望とマッチしているか確認することが大切です。
あえて挙げるなら担当範囲と業務フェーズの違い
厳密に区別する企業では、フィールドエンジニアとサービスエンジニアの間に若干の違いを設けている場合があります。
フィールドエンジニアは新規導入から運用、保守まで製品のライフサイクル全体を担当することが多く、プリセールスからアフターサービスまで幅広く関わります。顧客要望をヒアリングし、最適なソリューションを提案する段階から参画し、導入後のフォローまで一貫して担当します。
サービスエンジニアは既導入製品の保守・修理業務に特化していることがあります。定期メンテナンスや故障対応が主な業務で、新規導入プロジェクトには関与しない場合も。コールセンターでの電話サポートやリモートトラブルシューティングなど、必ずしも現場に出向かない業務も含まれることがあります。
ただし、これらの区分は企業により異なるため、実際の業務内容は面接時に詳しく確認することをお勧めします。
求人市場での職種名の使い分けと応募時の注意点
転職サイトや求人票では「フィールドエンジニア」「サービスエンジニア」「カスタマーエンジニア」「フィールドサービスエンジニア」など様々な名称が使用されています。
応募時は職種名だけで判断せず、具体的な業務内容を確認することが重要。特に勤務地(客先常駐か自社待機か)、対応製品(ハードウェアかソフトウェアか)、業務時間(日勤のみか夜間・休日対応ありか)に注目すべきです。
必要な資格やスキルも企業により異なります。電気工事士や情報処理技術者などの国家資格を求める企業もあれば、実務経験を重視する企業も。自分の保有スキルと照らし合わせながら適切な求人を選びましょう。
面接では実際の業務フロー、扱う製品の具体例、キャリアパスについて質問し、入社後のミスマッチを防ぎましょう。職種名にとらわれず、自分のキャリアビジョンに合った企業を選ぶことが長期的な成功につながります。
フィールドエンジニアの年収相場と収入アップの可能性
技術職として専門性が求められるフィールドエンジニアは、給与面でも比較的恵まれた職種です。経験を積むことで着実に収入アップが見込め、スキル次第では高収入も狙えます。具体的な年収データを基に、収入面での実態を詳しく見ていきましょう。
平均年収500万円前後で日本の平均を上回る水準
フィールドエンジニアは専門性と対応力が求められる職種であり、給与水準も比較的高めに位置しています。
求人・転職サイト「doda」の2024年版調査によると、ITエンジニア全体の平均年収は462万円とされており、その中でもフィールドエンジニアに近い「パッケージ導入/システム導入」職種の平均は483万円と報告されています
出典:doda「ITエンジニアの平均年収はいくら?給料アップを目指す方法や転職事例も解説」
一方で、国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」では、日本全体の給与所得者の平均年収が460万円と示されており、フィールドエンジニアの年収は全体平均をやや上回る水準にあることがわかります。
こうした収入の背景には、現場での緊急対応や顧客対応といった業務の特殊性があるほか、残業手当・出張手当・資格手当などが充実している点も影響しています。さらに、関連資格の取得やプロジェクトリーダーとしての経験、外資系企業での勤務経験などは年収を大きく押し上げる要因となり、キャリア形成次第で平均以上の高収入を狙うことも十分可能です。
経験年数による年収推移と昇給の実態
フィールドエンジニアの年収は経験年数と共に着実に上昇します。
20代前半の新人は年収300万円台からスタートすることが多いものの、基礎技術を身につけた20代後半には400万円台に到達。30代になると多くが年収500万円を超え、リーダークラスでは600万円以上も珍しくありません。
40代以降はマネジメント能力や専門性により年収に大きな差が生じます。現場のスペシャリストとして活躍する場合は600万円から700万円程度、チームリーダーやマネージャーとして部下を持つ立場になれば700万円から800万円以上も狙えます。
大手メーカーや外資系企業ではさらに高い年収が期待できます。特に外資系企業は成果主義の傾向が強く、実力次第では30代で年収1000万円を超えるケースも。独立してフリーランスとして活動する道もあり、高度な専門性と顧客基盤があれば会社員時代を大きく上回る収入も可能です。
大変さを超えるやりがいがある!フィールドエンジニアという選択
フィールドエンジニアは確かに大変な仕事です。緊急出動や休日対応、顧客からのプレッシャーなど、精神的・肉体的な負担は軽くありません。しかし、それを上回る魅力とやりがいがこの職種にはあります。技術力を活かして社会に貢献し、安定した収入を得ながらキャリアを築ける、それがフィールドエンジニアという職業の本質です。顧客の笑顔と感謝の言葉、そして自己成長の実感こそが、この仕事を続ける原動力となるでしょう。
手に職つくお仕事探しは求人サイト「e仕事エンジニア」がおすすめ!
手に職つくお仕事に興味がある人は求人サイト「e仕事エンジニア」がおすすめ!
例えば
- 大手メーカーで最先端の技術を身につけられる
- 資格取得をサポート
- 未経験でも安心の充実研修
など様々なメリットがあります。無料で利用できるのでぜひチェックしてみてくださいね。
e仕事エンジニアはこちらから↓↓↓
関連記事
求人カンタン検索
こだわりのメリットでカンタン検索。希望の条件をクリックして下さい。
都道府県で探す
業種で探す
こだわり条件で探す
- 待遇
- 働き方
- 募集条件
- 職場環境