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組み込みエンジニアについて、未経験で研修から就業まで、どうやって働く?給料は?やりがいは?

2025/10/15

私たちの暮らしを陰で支える組み込みエンジニア。スマートフォンや家電製品、自動車など、身の回りにあるほとんどの電子機器には組み込みシステムが搭載されています。この記事では、未経験から組み込みエンジニアを目指す方に向けて、研修から就業までの道のり、実際の働き方、給与水準、そしてこの仕事が持つやりがいについて詳しく解説します。

組み込みエンジニアとは?身近な製品を支える技術者の実態

組み込みシステムは、私たちが普段意識することのない場所で重要な役割を果たしています。電子レンジのタイマー機能から自動車のブレーキ制御まで、生活のあらゆる場面で組み込みエンジニアの技術が活用されています。この章では、組み込みエンジニアの仕事内容と求められるスキル、そして業界での位置づけについて解説します。

家電や自動車に搭載される組み込みシステム

組み込みシステムとは、特定の機能を実現するために機器に内蔵されたコンピュータシステムのことを指します。冷蔵庫の温度管理、テレビのチャンネル切り替え、エレベーターの階層制御など、私たちが当たり前に使っている機能の裏側には、組み込みエンジニアが開発したプログラムが動いています。

特に自動車産業では、エンジン制御、ABS(アンチロックブレーキシステム)、エアバッグの展開タイミングなど、人命に関わる重要なシステムの開発を担当します。最近では電気自動車や自動運転技術の発展により、組み込みシステムの重要性はさらに高まっています。

医療分野においても、ペースメーカーや人工呼吸器、検査機器など、高い信頼性と精密な制御が求められる機器の開発に携わります。これらの機器は24時間365日安定して動作する必要があり、組み込みエンジニアには極めて高い技術力と責任感が求められます。

必要となる技術スキルと知識領域

組み込みエンジニアになるためには、ソフトウェアとハードウェアの両方に関する知識が必要です。プログラミング言語では、メモリ管理やハードウェア制御を直接行えるC言語の習得が必須となります。多くの現場では、オブジェクト指向プログラミングが可能なC++も併用されています。

ハードウェアの知識としては、マイクロコントローラ(マイコン)の動作原理、電子回路の基礎、各種センサーの特性などを理解する必要があります。実際の開発では、オシロスコープなどの計測機器を使った動作検証も行うため、これらの機器の使い方も覚える必要があります。

リアルタイムOS(RTOS)の知識も重要です。複数のタスクを同時に処理し、決められた時間内に確実に処理を完了させるためには、RTOSの仕組みを理解し、適切にタスク設計を行う能力が求められます。代表的なRTOSとしては、FreeRTOSやμITRONなどがあり、これらの使い方を習得することで、より複雑なシステムの開発が可能になります。

IT業界における位置づけと将来性

組み込みエンジニアは、IT業界の中でも特に需要が高い職種の一つです。経済産業省の調査によると、2030年にはIT人材が最大で79万人不足すると予測されており、特に組み込み分野では深刻な人材不足が続いています。

出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」

IoT(Internet of Things)の普及により、これまでネットワークに接続されていなかった機器もインターネットにつながるようになり、組み込みエンジニアの活躍の場は急速に拡大しています。スマートホーム、スマートシティ、産業用IoTなど、新たな分野での需要も生まれています。
転職市場における組み込みエンジニアの価値も高く、技術者を複数の企業が奪い合う状況が続いています。このような背景から、未経験者の育成に力を入れる企業も増えており、キャリアチェンジのチャンスは十分にあると言えるでしょう。

未経験から組み込みエンジニアになるまでの道のり

未経験から組み込みエンジニアを目指す場合、計画的な準備と段階的なスキル習得が重要です。多くの企業が未経験者の採用を行っていますが、基礎知識の有無によって入社後の成長速度は大きく変わります。この章では、入社前の準備から現場で一人前になるまでの過程を詳しく説明します。

入社前に準備しておくべきこと

未経験から組み込みエンジニアを目指す場合、まずはプログラミングの基礎を身につけることから始めましょう。C言語の学習には、一般的に150〜300時間程度の学習時間が必要とされています。変数、条件分岐、ループ処理、関数、ポインタなど、基本的な概念を理解し、簡単なプログラムを書けるレベルを目指します。

資格取得も有効な準備の一つです。基本情報技術者試験は、IT全般の基礎知識を体系的に学べる国家資格で、組み込み開発にも役立つ知識が多く含まれています。さらに専門的な資格として、JASA(組込みシステム技術協会)が実施するETEC(組込み技術者試験)があり、これは組み込み分野に特化した知識を証明できる資格として評価されています。

実践的なスキルを身につけるには、ArduinoやRaspberry Piなどの学習用マイコンボードを使った電子工作がおすすめです。LEDの点滅制御、センサーからのデータ取得、モーター制御など、実際に手を動かして学ぶことで、ハードウェアとソフトウェアの連携を体感できます。これらの制作物はポートフォリオとして就職活動でもアピール材料になります。

企業研修で学ぶ基礎知識

多くの企業では、未経験者向けに2〜3ヶ月程度の新人研修を実施しています。研修内容は企業によって異なりますが、一般的にはプログラミング基礎、ハードウェア基礎、開発ツールの使い方、実機を使った演習などが含まれます。

プログラミング研修では、C言語の文法から始まり、組み込み特有のコーディング規約、メモリ管理、割り込み処理などを学びます。実際のマイコンボードを使った演習では、簡単なLED制御から始めて、徐々に複雑な制御プログラムの作成へとステップアップしていきます。

技術研修と並行して、ビジネスマナーや文書作成、プレゼンテーション技法なども学びます。組み込みエンジニアは、ハードウェア担当者や他部署との連携が多いため、コミュニケーション能力も重要な要素となります。研修期間中は積極的に質問し、同期と協力しながら課題に取り組むことで、技術面だけでなく人間関係の構築にも努めましょう。

現場配属から一人前になるまで

研修終了後は、実際のプロジェクトチームに配属され、OJT(On-the-Job Training)が始まります。最初は先輩エンジニアの指導のもと、比較的簡単なタスクから担当することになります。バグ修正、テストケースの作成、ドキュメント整備など、プロジェクトを支える重要な業務を通じて、開発の流れを学んでいきます。

配属から半年〜1年程度経つと、小規模な機能の実装を任されるようになります。センサーデータの取得処理、通信モジュールの制御、ユーザーインターフェースの実装など、徐々に責任のある仕事を担当していきます。この段階では失敗も多いですが、先輩のコードレビューを受けながら、実践的なスキルを身につけていきます。

一般的に、組み込みエンジニアとして一人前と認められるまでには3〜5年程度かかるとされています。要件定義から設計、実装、テストまで、開発の全工程を理解し、自力で担当できるようになることが目標です。技術の深さを考えると「本当の意味での一人前には10年かかる」という声もありますが、継続的な学習と実践を重ねることで、確実に成長していくことができます。

組み込みエンジニアの働き方と職場環境

組み込みエンジニアの仕事は、一般的なソフトウェア開発とは異なる特徴があります。ハードウェアとの連携が必要なため、実機での動作確認が欠かせません。この章では、実際の業務スケジュールやプロジェクトの進め方、労働環境について具体的に説明します。

一日の業務スケジュール

組み込みエンジニアの一日は、朝のメールチェックと当日のタスク確認から始まります。午前中は主にプログラミング作業に集中し、新機能の実装やバグ修正を行います。組み込み開発では、コードを書いた後に実機での動作確認が必要なため、プログラミングとテストを交互に繰り返すことが多くなります。

午後は実機を使った評価テストや、他部署との打ち合わせが入ることが多いです。ハードウェア担当者との仕様確認、製造部門からの問い合わせ対応、品質保証チームとのレビューなど、コミュニケーションが必要な業務も多く発生します。

定時は一般的に9時〜18時ですが、プロジェクトの状況によって変動します。納期が近い時期は残業が増える傾向にありますが、通常時は比較的規則正しい勤務が可能です。実際、多くの組み込みエンジニアが「普段は定時退社できている」と回答しており、ワークライフバランスを保ちやすい職種と言えます。

プロジェクトの進め方とチーム体制

組み込み開発プロジェクトは、V字モデルと呼ばれる開発手法を採用することが多いです。要件定義、基本設計、詳細設計、実装、単体テスト、結合テスト、システムテストという流れで進行し、各工程で品質を確保しながら開発を進めます。

チーム構成は、プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダー、ソフトウェアエンジニア、ハードウェアエンジニア、テストエンジニアなどで構成されます。ソフトウェアチームとハードウェアチームが並行して開発を進め、定期的に統合テストを実施して、システム全体の動作を確認します。

最近では、アジャイル開発やモデルベース開発(MBD)など、新しい開発手法を取り入れる企業も増えています。継続的インテグレーション(CI)の導入により、コードの品質を自動的にチェックする仕組みも普及してきており、開発効率の向上が図られています。

勤務形態と労働時間の実情

厚生労働省の調査によると、IT系企業で働くエンジニアの月平均残業時間は30時間未満が78%を占めており、組み込みエンジニアも同様の傾向にあります。ただし、納期前や不具合対応時には一時的に残業が増えることもあり、プロジェクトの進行状況によって労働時間は変動します。

リモートワークについては、実機での動作確認が必要なため完全在宅は難しい面があります。しかし、コーディングや設計作業は在宅で行い、実機テストの時だけ出社するハイブリッド型の働き方を導入する企業も増えています。

有給休暇の取得率は企業によって差がありますが、調査によると約半数の企業で年間60%以上の有給休暇を取得できているとのデータがあります。プロジェクトの谷間や閑散期には比較的休みを取りやすく、メリハリのある働き方が可能です。

組み込みエンジニアの年収と待遇

組み込みエンジニアの給与水準は、IT業界の中でも比較的安定しています。経験を積むことで着実に年収が上がる傾向にあり、長期的なキャリア形成に適した職種と言えます。この章では、初任給から経験による年収の変化、そして収入向上のための戦略について詳しく解説します。
組み込みエンジニアは、IT業界の中でも安定した給与水準を持つ職種とされています。平均年収は約574万円とされており、ITエンジニア全体としても比較的高い給与水準にあります。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト「jobtag」

未経験スタートの初任給

未経験で組み込みエンジニアとして就職した場合、初年度の年収は350万円程度が一般的です。大手メーカーや技術系企業では、福利厚生も充実しており、住宅手当や家族手当などが支給される場合もあります。

出典:ITプロマガジン「未経験から最短で組み込みエンジニアを目指す方法をプロが解説」

新卒採用と中途採用で初任給に大きな差はありませんが、中途採用の場合は前職の経験やスキルによって給与が決定されることがあります。プログラミング経験がある場合や、関連する資格を保有している場合は、初任給が上乗せされることもあります。
派遣社員や契約社員として働く場合もありますが、最近は正社員として採用し、じっくり育成する企業が増えています。安定した雇用環境で技術を身につけられるため、長期的なキャリア形成を考える場合は正社員での就職を目指すことをおすすめします。

経験年数による年収の変化

組み込みエンジニアは経験を積むことで担当できる業務の幅が広がり、プロジェクトリーダーやマネージャーといった役職に就く機会も増えます。役職手当が加わることで、30代後半から40代にかけて年収700万円〜800万円に達するケースも珍しくありません。

大手メーカーでは賞与が年間5ヶ月分以上支給されることもあり、基本給以上に年収が大きく上振れすることもあります。一方、ベンチャー企業では基本給は高めに設定されているものの、賞与は業績連動型となっているケースが多く、企業選びの際は給与体系も確認することが重要です。

収入を上げるためのキャリア戦略

組み込みエンジニアとして収入を向上させるには、いくつかの戦略があります。まず、技術スキルの幅を広げることが重要です。C言語だけでなく、Python、Rust、組み込みLinuxなど、複数の技術を習得することで市場価値が高まります。特にIoTやAI関連の技術は需要が高く、これらのスキルを身につけることで高待遇のオファーを受けやすくなります。

マネジメント職へのキャリアチェンジも有効な選択肢です。プロジェクトマネージャーやチームリーダーになることで、役職手当により年収が大幅に上昇します。技術力だけでなく、チームをまとめる能力やプロジェクト管理能力を身につけることで、より高いポジションを目指すことができます。

業界や分野の選択も重要です。自動車業界や医療機器業界は比較的給与水準が高く、特に安全性が重視される分野では高度な技術力が評価され、年収800万円以上も十分に狙えます。転職によって年収が100万円以上アップすることもあるため、3〜5年の経験を積んだ後は、市場価値を確認しながら転職を検討することも一つの戦略です。

組み込みエンジニアのやりがいと魅力

組み込みエンジニアの仕事には、他のIT職種にはない独特の魅力があります。自分が開発したシステムが実際の製品として世に出て、人々の生活を支える喜びは格別です。この章では、組み込みエンジニアという仕事が持つやりがいと将来性について詳しく説明します。

ものづくりの醍醐味

組み込みエンジニアの最大のやりがいは、自分が書いたプログラムによって実際に機械が動く瞬間を体験できることです。画面上のアプリケーション開発とは異なり、モーターが回転し、センサーが反応し、LEDが点灯する様子を目の前で確認できます。この「プログラムが物理的な動きに変わる」瞬間は、まさにものづくりの醍醐味と言えるでしょう。

開発した製品が市場に出回り、実際に使われている場面に遭遇することもあります。自分が携わった家電製品が店頭に並んでいたり、開発に関わった自動車が街中を走っているのを見かけたりすると、社会に貢献している実感が湧いてきます。

ハードウェアとソフトウェアを融合させてシステムを構築する過程は、まさに「機械に命を吹き込む」作業です。限られたリソースの中で最適な性能を引き出すため、創意工夫を重ねる必要があり、パズルを解くような知的な面白さもあります。

技術者としての成長実感

組み込み分野は技術の幅が広く、常に新しいことを学ぶ機会に恵まれています。プログラミング言語、ハードウェア、通信プロトコル、制御理論など、様々な分野の知識を吸収しながら成長していくことができます。

入社当初は理解できなかった技術仕様書が読めるようになったり、複雑な不具合を自力で解決できるようになったりと、日々の業務の中で自分の成長を実感できる瞬間が数多くあります。特に、先輩に頼っていた問題を独力で解決できたときの達成感は格別です。

プロジェクトごとに扱う製品や技術が変わることも多く、家電から自動車、医療機器まで、様々な分野の開発に携わるチャンスがあります。新しい分野に挑戦するたびに、その業界特有の知識や規格を学ぶ必要があり、飽きることなく技術者として成長し続けることができます。

社会貢献と将来のキャリアパス

組み込みシステムは、社会インフラを支える重要な技術です。交通システム、医療機器、産業機械など、私たちの安全で便利な生活を実現するために欠かせない存在となっています。自分の技術が社会の安全と発展に貢献していることを実感できるのは、組み込みエンジニアならではのやりがいです。

将来のキャリアパスも多様です。技術を極めてスペシャリストになる道、マネジメント職として組織を率いる道、コンサルタントとして企業の技術課題を解決する道など、様々な選択肢があります。組み込み技術の経験は汎用性が高く、IoT、ロボティクス、AIなど、新しい分野への転身も可能です。

電気自動車、自動運転、スマートシティなど、これからの社会を変革する技術には必ず組み込みシステムが関わっています。組み込みエンジニアとして培った技術と経験は、未来の社会を創造する上で重要な資産となるでしょう。

未経験から組み込みエンジニアを目指すあなたへ

組み込みエンジニアは、未経験からでも十分に挑戦できる職種です。業界全体の人材不足により、多くの企業が未経験者の育成に力を入れており、しっかりとした研修制度と先輩のサポートのもとで成長していくことができます。大切なのは、学び続ける意欲とものづくりへの情熱です。文系出身でも、プログラミング未経験でも、努力次第で必ず道は開けます。組み込みエンジニアという仕事は、技術的な挑戦と社会貢献を両立できる素晴らしい職業です。ぜひ勇気を持って、この世界に飛び込んでみてください。

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